山口県デジタル人材発掘・育成プログラム「YAMAGUCHI未来変革(AKATSUKIプロジェクト)」成果発表会に参加
半年間の育成プログラム「AKATSUKIプロジェクト」(正式名称: 山口県デジタル人材発掘・育成プログラム「YAMAGUCHI未来変革」)の成果発表会に参加した。山口県主催で2025年9月にキックオフしたこのプログラムは、半年を経て、記録的な大雪の中でも非エンジニアや学生がAIを活用して開発した多数のプロジェクトを披露する場となった。
前半は「技術が可能性を広げる」プロジェクト群。
- 徳山工業高等専門学校チームによる障がい者スポーツ支援デバイス。フライングディスクをつかむロボットハンドは既にバージョン5まで進化し、重度障がいのある人でも対等な条件で競技できることを目指している
- Web制作者によるVRゲーム「黒猫プレイロール」。山口の民話をモチーフにしたVRRPGで、Steamの早期アクセスを2月22日に控えていた
- 山口大学ロボット研究会による赤外線サバイバルゲーム。年齢や体力に関係なく参加できる仕組みで、従来のペイント弾を使う競技の障壁をなくした
- 整形外科領域の医療情報支援ツール。2025年11月に法人化したチームによるもので、AIによる診断ではなく臨床の意思決定支援に焦点を当てている
- NFCを使ったデジタルヘルプカードアプリ。発達障がいのある人が画像や自己表現機能でコミュニケーションを取れるようにするもの
特別講演では、iPresence創業者のクリス氏が「テレプレゼンス」技術について語った。遠隔での存在感を拡張する取り組みを12年間追いかけており、教育や船舶管理システム、離れて暮らす家族をつなぐ用途などに応用してきたという。
後半は「AI・データの実装」プロジェクト群。
- 非エンジニアが半年間でClaude AIを使い10以上のアプリを開発した「スポーツタイムマシン」。医療リハビリやダンス教育向けに3Dモーション記録を行う
- 運転シミュレーション中の子どもの感情・動作をOpenPoseと表情解析で分析するプロジェクト
- 天候通知と地域の専門家サポートで家庭菜園の放棄を防ぐプラットフォーム
- 建設業のベテランが持つ暗黙知をRAG技術で若手に継承する「Kizuki AI」。2030年の建設労働力不足を見据えたもの
- AI依存への対抗として、人間ならではの発想力を試す謎解きコンテンツ「Hitotoki」。銭湯などオフラインの場を想定
- IT専門でない多様なメンバーによる、X・Slack・Claudeを組み合わせた業務自動化ツール(WFA)。小規模事業者の生産性向上を狙う
プログラムマネージャーからは、非エンジニアがAIでものづくりをする時代に重要な3点が語られた。「なぜこれを作るのか」という動機(志)が唯一の差別化要因になること、恐れて動けない状態から素早く試作して検証するサイクルに移れる「トライアルできる人」であること、そして北海道から沖縄まで広がる全国ネットワーク(2月20日に全国交流イベントを予定)の存在。
参加後は、Code for Nagatoの拠点でも同様の成果発表・展示の場をつくりたい、AKATSUKIの発表会そのものを長門地域で開催したい、3年目をめどに地域からのチーム参加者を育てたい、という意欲を綴っている。「作りたいものがあれば、今はもう作れる」というAIによる創造の民主化を、自身の言葉でまとめている。




