ステップ1:AIチャットは「文章をくれる人」
ChatGPTやClaudeのチャットは、頼めば文章やファイルを1個作ってくれます。でも——
・できた文章は自分でコピペして、自分で適切な場所に保存し直す必要がある
・AIはあなたのPCの他のファイルのことを知らない
・毎回「新規作成」なので、昨日作ったファイルの続きを直してもらえない
AIチャットからAIエージェントへ。「作業を任せられるAI」を安心して使うためのカギが、この教材のテーマです。
ここでは、むずかしいコマンドは一切出てきません。「ファイルがどこで生まれて、どこを旅して、だれがOKを出して正式版になるのか」——その地図を頭に入れることがゴールです。
ChatGPTやClaudeのチャットは、頼めば文章やファイルを1個作ってくれます。でも——
・できた文章は自分でコピペして、自分で適切な場所に保存し直す必要がある
・AIはあなたのPCの他のファイルのことを知らない
・毎回「新規作成」なので、昨日作ったファイルの続きを直してもらえない
Claude CodeのようなAIエージェントは、ファイルを直接作り、正しい場所に置き、既存のファイルを読んで、続きから修正できます。つまり「文章をくれる人」から「作業者」に格上げされたのです。
頼み方も変わります。「文章を書いて」ではなく「このフォルダの案内文を直して」と、仕事そのものを任せられます。
作業者となったAIは、ファイルをもりもり作り、もりもり書き換えます。そのままだと「昨日と何が変わったの?」「どのファイルをいじったの?」が分からなくなり、怖くて任せられません。
エンジニアの世界には、「いつ・だれが・どこを・なぜ変えたか」を全部記録するしくみが昔からあります。それが Git(ギット)。そしてGitの記録をインターネット上で見やすく共有できる場所が GitHub(ギットハブ) です。
AIの作業をぜんぶGitに記録させれば、変更の一覧を人間がチェックして「OK(承認)」を出すまで正式版にならない、という安全な流れが作れます。
Claude CodeはGitHubと連携して、作業のたびに専用の「作業レーン(ブランチ)」を作ってそこで作業します。終わったら「こう変えました、取り込んでいいですか?」という提案書(プルリクエスト)を出し、人間が中身を見てOKを出したら正式版に反映——ここまでが1セットです。
つまり「AIが作業し、人間が検品して承認する」という上司と部下のような分業が、しくみとして組み込まれているのです。
上のタブを左から順にどうぞ。「3. 体験シミュレーター」がメインディッシュです。ボタンを押しながら、ファイルが旅する様子を実際に動かして確かめられます。
Gitの機能はたくさんありますが、事務職のみなさんに必要な考え方は4つだけです。
ゲームのセーブと同じで、「今の状態」にメモ(コミットメッセージ)を付けて丸ごと記録します。この記録1個をコミットと呼びます。
例:「開催日を追記」「誤字を修正」——後から見て分かるメモが大事。
コミット同士を比べると、増えた行は緑、消えた行は赤で表示されます。文章が読めれば誰でも「何が変わったか」を検品できます。プログラムが読めなくても大丈夫。
正式版(mainと呼ばれるレーン)を直接さわらず、横に作業用のレーンを作ってそこで編集します。失敗しても正式版は無傷。納得できたら合流(マージ)させます。
セーブポイントが残っているので、「昨日の状態に戻して」が一瞬でできます。「ファイル名_最終_v2_これが本当に最終.docx」を量産する日々とはお別れです。
下のメモを自由に書き換えて「セーブポイントを作る」を押してみてください。履歴をクリックすると、その時点の内容をいつでも見られます。
登場する「場所」は3つ。同じリポジトリ(書類箱)のコピーが、それぞれの場所に存在できます。
ミッションは3本。1と2で基本の流れを覚えて、3で「Claude Codeを2つ同時に走らせたらぶつかった」という、実際によく起きる場面を体験します。ミッション3では左と右のパネルが「2つのClaude Codeセッション」に変わります。
ポイント:PC同士は直接つながらず、必ずGitHub(本部)を経由してファイルが行き来します。
Claude CodeにGoogle Drive(やGmail・カレンダー)を接続すると、AIはDriveのファイルを直接、作成・読み取り・更新・削除します。GitHubを経由しません。
これは「MCP」という接続のしくみで、AIの手がDriveまで直接届いている状態です。便利ですが、GitHub経由の流れとは安全のしくみがまったく違うことを知っておきましょう。
ファイルの変更は……
ファイルの変更は……
| GitHub経由(Git) | Drive直接(MCP) | |
|---|---|---|
| 変更のタイミング | 承認してから反映 | 即・その場で反映 |
| 変更の理由の記録 | コミットメッセージに残る | 残らない |
| 検品(差分チェック) | 緑/赤の差分で一目瞭然 | 前後を自力で見比べる |
| やり直し | 任意のセーブポイントへ | 版の履歴から手動復元 |
| 向いている用途 | 大事な文書・サイト・継続的な仕事 | 閲覧・検索・下書きの受け渡し |
「読むのはDrive直接でOK、大事なものを書き換えるならGitのレールに乗せる」が基本方針です。
おすすめはまずリモート(クラウド)環境。理由はシンプルで、あなたのPCの中のファイルに一切さわれないからです。
リモート環境は、クラウド上に用意された「まっさらな仮想PC」。そこにGitHubからリポジトリを複製(Clone)して作業するので、影響範囲はそのリポジトリだけに閉じます。作業が終われば環境ごと消えても、成果はGitHubに残っています。
気軽にどうぞ。間違えても解説が出るだけです。
① GitHubのアカウントを作ってみる → ② GitHub Desktopを入れて、練習用リポジトリで今日の流れを本物で再現 → ③ Claude Codeのリモート環境に小さな修正を頼んで、PRを自分の目でレビューしてマージ。ここまでできたら、もう「AIと分業できる人」です。